加藤土代久ー3 青紫野茶碗 背面と両側面

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加藤土代久03_03

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 加藤土代久の青紫野茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面(掻き銘側)で、二枚目が正面向かって左側面、三枚目が右側面です。

 背面には、正面と同じように白地に茶色の線模様が入っています。白地の面積は正面より広いので、こちら側を正面としても良いとは思いますが、線模様が少し単調で面白味が少ないので、こちらを背面としました。

 左右の側面は青い発色になっており、そこに茶色が噴き出たような模様が入っています。正面と背面は白地に絵が入り、左右側面は青系の着色がなされるという配色は、まるで典型的な織部茶碗のようです。

 良く見ると、右側面には釉薬が覆い切れなかった穴が幾つも開いており、そこから茶色の鉄分が噴き出ています。また、縦に箆を入れてザックリと削った跡が左右にあります。釉調がフラットで、釉薬の凹凸による変化がないので、こうした要素がなければ退屈な景色になっていたかも知れません。

つづく
posted by 笹九百家 at 12:00Comment(0)志野