
加藤土代久の青紫野茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。
上から見るこの茶碗は基本的に真円ですが、乱れが強く、ちょっとおむすび型に見えなくもないです。口縁は志野にしては薄く、特に12時位置と4時位置辺りが外側に向かって少し傾斜しているので、そこを飲み口にすると快適です。また、口縁部は強く鉄分が滲み出ていて、黒に近い焦げ茶色の発色になっています。
見込みは全体に青色に発色しており、気泡は殆どなく、釉調はフラットです。また、見込みの底には明確に茶溜りが整形されています。
見込みの中の景色に動きがなく、比較的退屈ではあるのですが、口縁の乱れのある造形によって、上から見る景色全体としては味わい深くなっていると思います。
つづく