三輪休雪ー1 萩茶碗 背面と両側面

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 十代・三輪休雪の萩茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面、三枚目が右側面(窯印側)です。

 釉薬や化粧土の濃淡の違いはありますが、どの面も凡そ正面と同じような景色です。バランスの良い椀形のシルエットに、丁寧な轆轤目が薄っすらと残っています。陶土は粗めで多くの砂粒が混ざり、それによるボツボツと釉薬の気泡や貫入が味わい深い表面を形作っています。また、釉薬と化粧土のムラは大らかで、緩やかに変わって行く様子が優しい表情を醸し出しています。

 さて、萩焼には明治以前に萩藩の御用窯であった窯元が今でも幾つか存在しています。これらの旧御用窯の作品について、私はこれまで幾つか買い集めて、ここで紹介して来ました。萩市松本の坂窯、長門市深川の坂倉新兵衛窯、田原陶兵衛窯、坂田泥華窯、新庄助右衛門窯がそれです。今回これに萩市松本の三輪窯が加わり、旧御用窯はほぼ全て集める事が出来ました。三輪休雪の作品を入手出来た事は、作品の良さもさることながら、この意味でも私にとっての満足度は高いのです。(旧御用窯としては長門市深川の坂倉善右衛門窯というのがあって、ここの作品は未だ入手出来ていないのですが、ここは一度廃業し2006年に復活したという経緯があり、また今の作風もかなり現代的で、伝統的な萩焼とはテイストが随分と違っているので、萩焼旧御用窯の一つとしてコレクションに加えるべきかどうか微妙な線だと感じています。)

つづく