作者不明 刷毛目小服 正面

刷毛目小服_01
 私が初めて抹茶を点てて飲んだ際に使った茶碗がこれです。多分、何かで貰った茶碗だと思うのですが、以前から我家にあった物です。

 標準サイズの茶筅との比較でお分かりになるかと思いますが、グイ呑みに毛が生えた位の大きさの小服茶碗で、家人によれば茶道の稽古用なのだそうです。土が濃い赤茶色ですし、釉薬の感じから唐津辺りのような気もしますが、高台周辺に窯印も掻名もありませんし、箱も何も残ってないので、私の今の知識では何焼なのか分かりません。

 刷毛目茶碗の美しさは、刷毛目の擦れ具合にあると個人的には思っているのですが、この茶碗の場合は大きさが大きさなので、刷毛目があまり擦れず、この写真の反対側の景色は、ほとんど掛分のようなベタ塗りになっちゃってます。この辺、大きさに合わせてもう少し刷毛目は何とかなったのではないかと勝手に思っています。

 それと、やっぱり大きさが問題です。外出先で抹茶を点てる事がない私にとっては、やはりこのサイズの茶碗は使い辛いです。美味しい抹茶がちょっとしか飲めませんし、野点用の小さな茶筅を使わないと、茶を点て難いです。

 でも、大きさに由来する物足りなさに目を瞑れば、斑の入ったグレーの釉薬とか、それなりに雰囲気のある茶碗ですし、これならこれで悪くないです。
 因みに、この写真の向きを「正面」としたのは、私の好みによります。刷毛目の擦れとベースの釉薬の斑が両方楽しめるのは、この辺りなのです。

つづく

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