
四代・高橋楽斎の信楽茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。
上から見た形は乱れの少ない真円で、口縁もほぼ均一です。ですから、何処に口を付けて抹茶を飲んでも、口当たりや飲みやすさは同じです。飲み口を気にする必要はありません。
見込みの底には小さめに茶溜があって、それの縁が微妙に盛り上がっています。また、外側と同様に見込みの中にも自然釉はかかっておらず、陶土の砂粒などでザラザラしています。こういう作りだと、茶筅を傷めやすいので嫌う方もいらっしゃるようですが、私個人としては、こういう荒々しく整わないテクスチャーは大好きです。
もっと良く観察すると、陶土に含まれる長石の砂粒が溶けて噴出している箇所や、小さな亀裂や穴なんかもあり、こういうのを野趣溢れる景色と言うのでしょうか、人智を超えた土と炎が織り成す素晴らしい景色があります。この辺が信楽の良さだと思います。
つづく
この記事へのコメント
U3
あのゴツゴツ感は瀬戸物ののっぺりつるりでは決して味わえない。
笹九百家
確かに磁器とは随分と違うゴツゴツ感は土物の醍醐味です。ですので、私の茶碗コレクションは土物が殆どです。(^^ゞ