佐々木昭楽-3 加賀光悦うつし赤茶碗 見込み

佐々木昭楽03_05

 三代・佐々木昭楽の「加賀光悦うつし赤茶碗」の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。

 上から見るこの茶碗の形はほぼ真円ですが、口縁は微妙に変化が付けてあります。この写真で3時位置辺りに少し傾斜がつけてあって、そこを飲み口にすると良い感じです。ここは右側面90°の位置になりますから、90°回転させてから口をつける某茶道流派の所作に合わせた造りになっています。

 底には茶溜りらしきものは整形されておらず、貫入だけが目立ちます。この貫入の見立ち具合は他の個所では見られませんから、茶碗を使い込んだ結果として茶渋が侵入し、くっきりと目立つようになったのでしょう。使い込んだ雰囲気はここだけなので、多少異質な感じもしますが、これはこれで多彩な表情を持つこの茶碗の一面として受け止めるべきでしょう。

つづく

この記事へのコメント