


猪飼祐一の灰釉彩茶盌を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面(掻き銘側)、三枚目が右側面です。
背面には、正面と対になる小さな鉄絵が入っています。そして、左右の側面には鉄絵は殆ど入っていません。こういう絵の入れ方は色絵磁器とかと同じで、一瞬作為がないように見えるこれらの鉄絵が、実は完全にコントロールされた配置になっている事が分かります。
左側面では小さな鉄絵模様が入っており、逆の右側面では釉薬のかかっていない部分が胴の辺りに見えます。全体的に同じような釉景ではありますが、各面に微妙な個性の差が付けられていて、見ていて飽きません。非常に上手い作りです。
ところで「茶盌」という表記なのですが、この茶碗の箱書きに「茶盌」とありますので、ここではそのように表記していますが、この「盌」という文字はPC上では環境依存文字になるので、広く情報を発信するインターネット上のブログでは余り使いたくない文字です。そういう、ある意味特殊な文字を好んで使う作家は割りといて、そこにその作家の拘りを感じるのではありますが、ネット上のブロガーである私としては、読める環境を選ぶこの文字を使うのにちょっと躊躇してしまう所があります。正直、微妙です。
つづく
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