小川欣二-5 伊羅保茶碗 背面と両側面

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 小川欣二の二つ目の伊羅保茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面(窯印側)、三枚目が右側面です。

 釉薬のかかり方に多少の違いはありますが、各面ともに同じような景色です。胴の上半分に轆轤目を残し、下半分は削って整形。釉薬は薄く不規則にかかっています。ですから、窯印の位置を気にしなければ、何処を正面として使っても、全く同じ感覚で鑑賞できます。形が整っていますし、口縁も一定ですから、使い勝手も各方向ともに一定です。

 こういう形としての整い方をどのように評価するかは人それぞれでしょう。面白味に欠けると見るか、使いやすいと見るか・・・。私の場合、まぁ、これならこれで、この茶碗の個性として尊重したいと考えています。ただ、同手が他にも数多く存在するであろう事を考えると、その点に於いて持ち主としての思い入れは多少削がれる面はあります。やはり完全な一点物を持つ方が、持ち主としては嬉しさが大きいものです。

つづく

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