林亮次-7 赤志野茶碗 見込み

林亮次07_05

 林亮次の七つ目の茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。

 上から見たこの茶碗は、少し乱れのある真円で、見込みの底には明確に茶溜りが整形されています。写真で見て9時半くらいの位置の口縁が最も薄くなっており、ここを飲み口にするのが快適です。ただ、そうすると、飲む前に茶碗を時計回りに90°回すと言う茶道某流派の所作とは合わなくなります。お決まりの所作を優先するか、快適にお茶を口にする事を優先するかは、各個人の自由だと思いますが、私は茶碗の造形を楽しみたい方なので、特定の所作には縛られずにいたいと思っています。

 見込みの底は、この茶碗で唯一、長石釉の白が緋色に勝っている個所です。ここは、飲み終えた後に残った抹茶の緑色が見える所なので、やはり赤が強い背景よりも、白が勝った景色の方が良いと思います。白と緑の組み合わせは、赤と緑の組み合わせよりも個人的には好きです。

つづく

この記事へのコメント

  • 笹九百家

    ぼんぼちぼちぼちさんへ
    仰る通りだと思います。赤系統の色は、補色関係という事もあろうかと思いますが、緑系統の色との相性が良いです。
    2024年01月07日 12:46