


加藤芳比古の瀬戸黒茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面(掻き銘側)、三枚目が右側面です。
どの面も正面と同じような景色です。艶の強い真っ黒な釉景、ランダムに入った箆削り跡が荒々しいゴツゴツした仕上げ・・・。山中にある巨岩や岩壁を想起させる景色です。私は学生時代に登山部に所属し、各地の山々に登っていたのですが、その中で見た来た景色が、この茶碗の中に再現されているように感じられ、とても心に沁みて来ます。
写真や絵で自然の情景を写し取るという方法もありますが、この茶碗にある造形も、また別の自然の写し取り方なのだと思います。
つづく
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