玉置保夫-2 絵志野茶碗 背面と両側面

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 玉置保夫の二つ目の志野茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面、三枚目が右側面です。

 口縁部に二か所ほど鬼板によるものと思われる発色した部分があったりしますが、背面には基本的に鉄絵はありません。また、左右側面も正面横一の線が伸びて来ているだけです。ですから「絵」は正面一か所だけにあると言えます。これだけシンプルな構成になると、口縁二か所の発色部分も何だか見落とせない景色の一部に感じられて来ます。

 釉景については、どの面も正面と同じ雰囲気です。気泡や縮れのある分厚い長石釉が、比較的均一にかかっています。下の陶土の凹凸が表に出ていますが、長石釉による立体的な造形は少なく、結果としてなだらかな優しい表情になっています。発色部分が少なく、全体的に白が勝った発色という事もあると思うのですが、全体的に柔和で、ちょっと女性的な雰囲気を感じる茶碗です。

つづく

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