
玉置保夫の二つ目の志野茶碗の見込みです。写真では、茶碗正面を下にしています。
上から見るこの茶碗は乱れのある真円形になっています。口縁の厚みも不均一で、最も薄く飲み口に適しているのは11時位置辺りでしょうか。或いは、3時半辺りの口縁が外に向かって傾斜しているので、その辺を飲み口にしても良いと思います。
見込みの底には何となく茶溜りっぽい造形が施されていますが、明確ではありません。また、見込みには鬼板による発色や焼成時に出る緋色の発色はなく、全くの真っ白です。唯一貫入だけがアクセントになっていますから、ある意味ちょっと退屈な景色ではありますが、これならこれで優しく落ち着いた景色とも言えるので悪くないと思います。また、口縁部二か所の鬼板による発色も、丁度良いアクセントになっています。
つづく
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