

鈴木五郎の織部茶碗の高台と掻き銘です。高台の写真では、茶碗正面を上にしています。
高台は乱れのある真円で、直径はやや小さいでしょうか。高台内の掘りは浅く、兜巾はありません。全体の左半分に、白釉が流れて溜った跡があり、整え過ぎない高台脇表面の仕上げと相まって、独特な景色を作り出しています。
陶土は鉄分の少ない百草土だと思われますが、ザクザクしたラフな雰囲気が味わい深いです。
掻き銘は「五」だと思われます。以前に河本五郎の掻き銘も掲載しましたが、それも「五」でした。しかも、どちらも草書体ベースの掻き銘で、ちょっと形が似ています。このため、うろ覚えの私は、掻き銘だけを見ると、「鈴木」の五郎さんなのか、「河本」の五郎さんなのか分からなくなってしまいます。(笑)
という事で、鈴木五郎の織部茶碗でした。典型的な織部かと思いきや、そこかしこでお約束から外した造りが大変に面白い茶碗です。既存のルールから離れて自由に創造するというのが、元々の織部が持っている精神性ではないかと私は思っているので、こういう織部が私は好きです。
おわり
P.S. 今年のブログ更新は今回で終了です。また、新年最初の更新は五日を予定しています。皆様、今年も大変お世話になりました。どうぞ良いお年をお迎え下さい。m(__)m
この記事へのコメント
いっぷく
今年も更新楽しみにしています。
笹九百家
おめでとうございます。こちらこそよろしくお願いいたします。