西岡小十-5 絵唐津茶碗 高台と掻き銘

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 西岡小十の絵唐津(皮鯨)茶碗の高台と掻き銘です。高台の写真では、茶碗正面を上にしています。

 高台は少し乱れのある真円で、直径は普通くらい、高さは低いです。高台内の彫りは偏っていて、ちょっと三日月高台のような雰囲気になっています。また、高台内を削った後に残った兜巾は、ラフに残されただけで、意識的に整形されているようではありません。

 高台内の土見せでは、削り跡がザクザクと残され、良い味わいを醸し出しています。

 掻き銘は「⊃-」というような形に見えますが、多分「小」の変形だと思われます。西岡小十のいつもの掻き銘です。また、背面側に掻き銘を入れるというのも、西岡小十では良く見られるパターンです。

 という事で、西岡小十の絵唐津(皮鯨)茶碗でした。バランスの良いシルエットの中に、多くの自然な不規則性を取り込んだ、実に美しい茶碗です。やっぱり私は、唐津の中では西岡小十の晩年の作品が最も好きです。

おわり

この記事へのコメント

  • 笹九百家

    毎度ありがとうございます!

    >ふるたによしひささん
    >
    >拝読しました!
    2025年03月02日 07:44