


林亮次の七つ目の茶碗を各方向から写しています。上の写真が背面で、二枚目が正面向かって左側面(掻き銘側)、三枚目が右側面です。
どの方向から見ても緋色が勝った釉景です。特に左側面に於いては、白く残った部分が殆どなく、茶色と言える程に濃い赤色になっています。また、その左側面では例のニキビがとても目立ちます。逆に背面と右側面に於いては、白く残った部分が正面と同じくらいあるので、それぞれを正面としても悪くない景色です。私が正面を決めた根拠は、正面向かって左90°に掻き銘や窯印を持って来るという至極一般的な抹茶茶碗の作り方に従っただけで、本当はその辺に拘る必要はないとも思っています。まぁ、正面を何処にするか迷った時の、一つの指標に過ぎません。
シルエットについては、どの方向から見ても、正面と同じようなイメージです。ふくよかでダルなシルエットで、轆轤目が微かに見えますが、薄く全体にかかった釉薬の下になっていて、明確ではありません。やはり全体的に緊張感のない形です。
つづく