

山本雄一作・備前茶碗の高台と掻き銘です。高台の写真では、茶碗正面を上に持って来ています。
高台の成形や高台脇と高台内の削りなどは、非常にカッチリと行われていて、多少の凹凸はあるものの、概ね乱れの少ない綺麗な形です。また、兜巾は控え目です。やはりここでも形状的には、あまり楽しくありません。
形は面白くありませんが、表面の色調や陶土の「す」といった所に自然で不規則な乱れがあって、その辺がここの景色の面白味になっています。こういう色調は、適度に枯れた雰囲気を醸し出していて、なかなか良いと思います。
掻き銘は「マ|」です。山本雄一の父であり備前焼の人間国宝である山本陶秀(1906-1994)の掻き銘が「マ」でしたから、それに「|」を加えた格好です。この「|」が、何を意味しているのか良く分からないのですが、雄一の「一」=「1」なのではないかと勝手に解釈しています。また、山本雄一の長男・竜一(1964-)も同じ窯で作陶しているのですが、その掻き銘は「竜」だったりします。どうせだったら「マ||」とか「|マ」とか「マ竜」とかにしてれば面白かったのにと密かに思っていたりします。(笑)
という事で、山本雄一の備前茶碗でした。オーソドックスな備前らしい茶碗です。
おわり