壱鋳堂-1 南部鉄瓶 刷毛目 1L 内部の現状

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 私が使っている壱鋳堂の「鉄瓶 刷毛目 1L」の内部を写しています。

 鉄瓶の使い方の基本として「洗わない」というのがあります。洗って内部の湯垢を落とすと、錆が発生しやすくなるそうです。また、使用開始前には、何らかの手段で予め湯垢を付けておくという事も良いそうです。私の場合、この鉄瓶を使い始める前に、硬水である「エビアン」をこの鉄瓶で煮沸して水気を飛ばして行くという作業を行いました。それによって出来たミネラル分の湯垢が、写真に写っている白い汚れです。ただ、その後何年も使っていますが、事前処置以上殆ど湯垢が成長していません。私の地域の水道水は、かなりミネラル分の少ない軟水なのでしょう。もっとも、現状で錆は発生していないので、これでも十分なのだと思います。
 尚、硬水を使った使用開始前処置の詳しい方法については、ググッて調べてみて下さい。

 鉄瓶の使い方について更に書くと、決して満水にして火にかけてはならないというのもあります。満水にしてしまうと、沸騰した際に水蒸気の逃げ場がなくなり、注ぎ口から熱湯が噴き出して、手に負えなくなります。注ぎ口から水蒸気が逃げられる隙間を残す程度≒鉄瓶容量の7割程度しか水を入れないようにしなければなりません。ですから、私の1L仕様の鉄瓶の場合、実際は700ml程度のお湯しか沸かせないという事になります。まぁ、抹茶を楽しんでいるのは私一人だけなので、700mlでも多いくらいです。

 それと、お湯を沸かす際の火力は、中程度以下に抑えなければならないというルールもあります。火力が強いと、やはり沸騰した際に厄介な事になります。我が家は200VのIHですが、火力のメモリは全力の半分程度で沸かし始めて、沸騰しそうになったら1/4程度に火力を落としています。これで抹茶と茶碗、そして茶菓子の準備が整った頃にはイイ感じでお湯が沸いているという状態になります。

 お湯を沸かした後の鉄瓶は、直ぐに残ったお湯を完全に抜いて、蓋を取り、鉄瓶の余熱で乾燥させます。これで、抹茶を楽しみ終わる頃には完全に乾燥すると同時に温度も下がっているので、洗わずにそのまま片付けます。お湯を沸かし始めてから最後に鉄瓶を片付けるまでのサイクルが、抹茶と菓子を準備して最後に洗って片付けるというサイクルとほぼ同時に進行し、それらが一体化したルーチンにする事が出来ます。ルーチンが完成してしまえば、何も考えずに繰り返すだけで、それが癒しの時間となります。お薦めです。

 最後に、鉄瓶でお湯を沸かした際のお茶の味についてなのですが、確かに少し変わります。味には好みがありますので、善し悪しの判断は出来ませんが、少し厚みが出ると言うか、重みとか奥行きが出ると言うか、とにかくそういう方向に変化します。鉄瓶で沸かした白湯を口にすると、昔、水道管が鉄管だった時代に、朝一で蛇口から出て来る錆混じりの水の味、或いは血を舐めた時の味に近い味がします。鉄分が溶け出しているのが分かるのです。この鉄分は、お茶に含まれるタンニンと反応し、黒い「タンニン鉄」という物質になり・・・、ま、そんなこんなで味は変わります。

 という事で、壱鋳堂の「南部鉄瓶 刷毛目 1L」でした。機能・性能だけでなく、姿も素敵な良い鉄瓶だと思います。

おわり

壱鋳堂-1 南部鉄瓶 刷毛目 1L 細部

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 壱鋳堂の「鉄瓶 刷毛目 1L」の蓋周りとブランド名レリーフです。

 蓋周りの造形も素敵です。蓋上面が渦巻状の刷毛目である他に、蓋の摘みが独特な形状になっている点も素敵です。こういう形のつまみは他ではなかなか見られないと思います。また、蓋の脇にある縁が、まるで立襟のように立っている形も独創的です。これだけ独創的な形状が鏤められているにも関わらず、全体的に散らかったイメージにならず、統一感のあるデザインになっている鉄瓶は、滅多にないのではないでしょうか。

 レリーフは「壱鋳堂」だと思われます。鋳物で細かい形状を作るのは難しいと思われ、このレリーフでも文字が判別しにくくなっています。ただ、少なくとも「壱」と「堂」は何とか判読できますから、左の方の良く分からない部分は、多分「鋳」なのでしょう。で、「鋳」だと思って良く見ると、確かに「金」のかねへんと「寿」のつくりが見えて来ます。

つづく

壱鋳堂-1 南部鉄瓶 刷毛目 1L 上下から

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 壱鋳堂の「鉄瓶 刷毛目 1L」を上下から写しています。

 蓋の上面も底面も刷毛目になっています。と言うか、これ、渦巻になってます。何処から見ても同じ調子の景色になっているのは、なかなか悪くないです。ある意味、隙がないデザインです。

 底面には「MADE IN JAPAN」、注ぎ口の下には「壱鋳堂」のレリーフが入っています。それと、底の12時位置、4時位置、8時位置の三か所に何かを削り取ったような跡が残っていますが、これは茶碗で言う所の目跡のようなものか、若しくは鉄瓶製造時に溶かした鉄を型に流し込んだ注入口の痕跡ではないかと推測しています。

 底面は碁笥底のように凹んでいて、円形の縁で鉄瓶を支える形になっています。どうして単なる平面にしなかったのかは分かりませんが、これなら美しい渦巻き模様を生かしつつ、置く場所の表面を傷付け難いのではないでしょうか。また、底の縁が立っているという形は、この鉄瓶の蓋の脇の縁が立っているのとデザイン的に統一されていて、それも全体的な統一感の向上に役立っているように思います。

つづく